高濃度ビタミンC点滴とは？

ビタミンCに様々な健康効果があることは広く知られています。しかし人体はこのビタミンを体内で作り出すことはできず、食物などから摂取する必要があります。
ビタミンCの恩恵を得るためには1日2～5g程度の摂取が必要ですが、ビタミンCを効率的に摂取するのは難しく、なかなか本来の効果を得ることができないのが現実です。

しかし高濃度ビタミンC点滴では、血管に直接高濃度のビタミンCを注入することで、血中濃度を急激に上昇させ、ビタミンCの持つ力を最大限に引き出すことが可能です。

高濃度ビタミンC点滴の効果

高濃度ビタミンC点滴によって期待できる主な効果は以下の通りです。

コラーゲンの生成促進

人体を構成しているタンパク質のうち、30％がコラーゲンで構成されており、肌、靭帯、骨、軟骨、血管、角膜など様々な組織を支える接着剤のような役割を果たしています。

このコラーゲンは肌の深層、真皮にある線維芽細胞で作られていますが、ビタミンCには線維芽細胞に働きかけ、コラーゲン生成を促進する作用があります。

そのため高濃度ビタミンC点滴を行うと、肌のハリや弾力の改善、しわ・たるみの防止などの効果が期待できます。

メラニン生成の抑制

私たちの肌は紫外線を浴びると、自らを守るために黒色メラニンを作り出します。黒色メラニンには肌のバリア機能を高める効果があるため、紫外線からのダメージを軽減できるのです。

通常この黒色メラニンは肌のターンオーバーに伴って体外に排出されますが、ターンオーバーのサイクルが乱れると上手く排出されず、しみやそばかすの原因になります。

ビタミンCにはこのメラニンの生成を抑制する働きがあるほか、すでに作られた黒色メラニンの色を薄くする働きがあることもわかっています。そのため高濃度ビタミンC点滴を行うと、しみやそばかすの予防・改善のほか、美白効果も期待できます。

抗酸化作用

呼吸によって人体に取り込まれた酸素のうち、数％は活性酸素という物質に変わります。活性酸素には細胞伝達物質や免疫機能としての役割がある一方、強い酸化作用を持ちます。

この酸化作用は、皮膚の老化や生活習慣病、パーキンソン病やアルツハイマー型痴呆といった脳神経疾患、白内障などを引き起こすとされています。

ビタミンCには高い抗酸化作用があり、活性酸素と結びついて無毒化する力があります。活性酸素によるダメージから肌を守り、皮脂分泌を抑えてニキビを予防・改善する効果も期待できます。

疲労回復・抗ストレス効果

体や心に負荷がかかると、体中の細胞が活発に働くようになります。すると活性酸素も大量に発生します。

体本来の抗酸化力がカバーできる程度の活性酸素であれば疲れを感じずに済みますが、許容量を超えると細胞が活性酸素の影響を受けて上手く働かなくなり、疲れを感じるようになります。

高濃度ビタミンC点滴はビタミンCの強力な抗酸化力を利用して、活性酸素を無毒化することによる疲労回復・抗ストレス効果を期待できます。

高濃度ビタミンC点滴のメリット

ビタミンCは食物はもちろん、様々な種類のサプリメント商品によって摂取することも可能です。しかし腸から吸収できるビタミンCの限界量は1日3gで、その大半が体の外に出ていってしまいます。それでもさらに摂取しようとすると下痢になる場合があります。

高濃度ビタミンC点滴は直接血管に流し込むため、この限界量を大きく超えることができます。したがって、ビタミンC本来の効果をより効率的に、より高く、より速やかに得ることが可能なのです。

高濃度ビタミンC点滴のデメリット

G6PD欠損症の方の場合、高濃度ビタミンC点滴を受けると赤血球が破壊されてしまうため、点滴を受けることができません。
北村内科クリニックではこのような事態を防ぐため、高濃度ビタミンC点滴をご希望の方には事前にG6PD欠損症の検査を受けていただき、その結果を確認してから施術の可否を判断します。

検査の結果が出るまでに2～3日かかりますので、検査日に2～3日後以降のご予約を入れていただき、点滴が不可の場合のみお電話にて連絡を差し上げています。

当院の高濃度ビタミンC点滴

ビタミンCは非常に変質しやすい成分です。そのため国産のビタミンC製剤には防腐剤が含まれていますが、これを高濃度で点滴すると防腐剤まで血管内に注入することになります。
また、海外のビタミンC製剤であれば防腐剤が入っていないものもありますが、その代わり変質を防ぐために工場からクリニックまで2～8℃を保たなくてはなりません。

そのため北村内科クリニックでは、防腐剤を使用しておらず、かつアイルランド工場から冷蔵コンテナで日本に輸送している、マイラン社製の高濃度ビタミンC注射液を使用しています。

高濃度ビタミンC点滴に興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。