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禁煙外来とは?
禁煙外来は喫煙習慣をやめたいと考えている方のための専門外来です。
タバコと肺がんの関連性は1930年代ごろから指摘され始め、以降その他の様々な病気との関連性が明らかになっていきました。1975年には世界保健機関(WHO)が、1987年には日本の厚生省もタバコの有害性を認め、世界規模での禁煙対策が進められてきました。
その結果、日本の成人喫煙率は年々減少傾向にありますが、やはり喫煙をやめられないという方も少なくありません。そこで2006年に禁煙治療に健康保険が適用されるようになります。喫煙習慣がニコチン依存症という病気として、お薬などを使った治療の対象となったのです。
こうして全国の医療機関に禁煙外来が設けられるようになり、2022年3月末時点で、全国の禁煙外来は17,000施設を越えるまで増加しました。
禁煙外来で行う治療
健康保険が適用される禁煙治療は、まず治療を始めるための要件を満たしているかを以下の流れで確認します。
- TDS(ニコチン依存症スクリーニングテスト)を用いて、ニコチン依存症の有無を診断
- 35歳以上であり、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上かどうかを確認
- 本人の禁煙意思を確認
- 「禁煙治療のための標準手順書」に沿って説明を受け、同意するかの確認
禁煙治療の流れ
健康保険適用の禁煙治療が受けられる場合は、次の流れで治療を進めていきます。
- ①呼気一酸化炭素濃度測定により、呼気がどれだけタバコに汚染されているかを検査する
- ②ニコチン依存度に合わせて、貼り薬(ニコチンパッチ)・飲み薬(チャンピックス)を処方
- ③医師もしくは看護師から禁煙に対するアドバイスを行う
※ただし、チャンピックスは新型コロナウイルス感染症の影響で、2023年10月時点で出荷停止が続いており、現在は当院の禁煙外来も含め、ニコチンパッチのみの処方となっています
禁煙外来で治療を受けるメリット
これまで自力で禁煙ができなかった方が禁煙外来で治療を受けるメリットは非常に大きいと言えます。なぜなら禁煙に成功した場合、喫煙による様々な健康被害を抑えることが可能だからです。
喫煙と関連性が指摘されている主な健康被害は以下のとおりです。
- 各種がん
- 気管支喘息
- 肺気腫
- 狭心症・心筋梗塞
- 大動脈瘤
- 脳出血
- くも膜下出血
- 脳萎縮
- 糖尿病
- 糖尿病性腎症
- 胃潰瘍
- 肝硬変
- 白内障
- 難聴
- 骨粗しょう症
- 歯周病
- ED
- 免疫機能低下 など他多数
また禁煙外来では禁煙補助薬といって、ニコチンの摂取を抑えることによる離脱症状を抑えられるお薬を処方するため、比較的楽に禁煙ができるという点もメリットです。
禁煙外来で治療を受けるデメリット
ただし、禁煙外来で治療を受けるデメリットもあります。例えば離脱症状は禁煙補助剤によって軽減できるものの、完全に抑えられるわけではないため、禁煙中のイラつきや倦怠感とはある程度向き合う必要があります。
また禁煙外来で治療を受けたからといって、確実に禁煙できるわけではないという点もデメリットです。確かに自力での禁煙に比べて圧倒的に成功率は高いものの、禁煙外来で治療を受けた方の成功率は7〜8割と言われており、2~3割の方は失敗していることがわかります。それほどまでに長期間の禁煙には覚悟と忍耐力が必要なのです。
禁煙治療では、患者様の「禁煙したい」という思いをサポートするため様々な工夫をしています。ご自分のため、ご家族のために喫煙習慣を改めたいという方は、ぜひ当院までご相談ください。